車椅子の人が結婚に至るまでには健常者の方よりも少しばかり障壁が高いわけですが、その辺りのお話はまた別の機会に・・・。
今回は私達の結婚式(?)がどんな感じだったかを書いてみようかと思います。誰かの参考にでもなれば幸いです。
まず私達が婚姻届けを提出したのは2008年11月。もう8年前ですねぇ。結婚式はしていません。理由は1つではなく、色々な理由が重なって・・・という感じでしょうか。まぁもともと二人共、披露宴の俗っぽい雰囲気が余り好きでは無いですし、私の両親が既に亡くなっていた事等もあって式は無しを選択しました。でも妻にウエディングドレスを着せてあげたいし、その姿を義父や義母に見せたいという思いは強くありました。そこで・・・新婚旅行先でフォトウエディングを敢行しようと思いつきました。
旅の行き先はフランス・スペイン、そして地中海クルーズでイタリア・南仏の複数都市を巡るというものです。車椅子での旅行では、移動時に多くの荷物を持つのは大変です。その点、クルーズでは一度乗船してしまえば最終寄港地までトランクは部屋に置きっ放し。途中の寄港地では財布と携帯位でプラプラできますし、夜寝て、朝目を覚ますと次の街に到着です。バリアフリールームもたっぷり用意されてますし、クルーズは車椅子ユーザーに優しいと思います。
最初、義理の両親を新婚旅行に誘ったら「新婚旅行に親がついていくのは・・・」と遠慮してましたが、式をしない事やフォトウエディングの事を話したら「それなら・・・」という事でOKを頂けました。
車椅子での海外旅行では、結構ぼったくり金額の旅行会社が多いので要注意です。自分でチケットやホテル、レストラン等予約をした方が安いし話がスムーズだと思います。この時は航空券だけ代理店経由にしたのですが、ややこしい事ややこしい事。ぎりぎりになってエールフランスに診断書の提出が必要だとか、車椅子を積めるか直前にならないとわからないとか、後から後から連絡が来て対応するのに苦労しました。それ以降、2年に一度のペースで海外旅行をしていますが、自分で予約をして診断書の提出なんて要求された事も無いし、車椅子の積み込みや搭乗時のサポート等も予約時のオンライン(もしくは電話)で完結してしまいます。バカ高いバリアフリーツアーより個人で予約がオススメです。
今回は立ち寄る都市が、パリ・バルセロナ・ナポリ・ローマ・フィレンツェ・ニース・マルセイユです。さてどこでフォトウエディングをしましょうかね・・・ナポリをチョイス!
理由は下船してからの移動が必要無いから。他の都市は下船して、タクシーや列車で街まで移動しなければなりません。さぁ、都市が決まったら次は現地カメラマンの手配です。今ならFacebook等のSNSや、世界のプロカメラマン登録サイト等で比較的簡単に見つけられると思います。私の場合はイタリア人カメラマンを手配できる日本人の方にオファーしました。車椅子ごと乗れるバンとカメラマン・アシスタント・英語/イタリア語通訳・運転手を手配。
当日は日本から持参したスーツとドレスに着替えて客室を出ると、船内ですれ違う色んな国の人達が「おめでとう!」と声を掛けてくれます。こういうのがとても嬉しいですよね。妻の希望でアメリカからやってきたシルクのドレスは、とても仕立ての良い綺麗なシルエットでした。
ではいくつかその時の写真を・・・
街中を移動しつつ撮影するので、たくさんの人が祝福の言葉をかけてくれます。
撮影の様子は・・・
こんな感じ。午前中まるっとで数百枚撮影。最後はみんなでパシャリ!
そしてそのまま美味しいナポリピザの店に連れて行って貰いました・・・
ピザ1枚3ユーロ位。ワインもピザも安くて美味い。
夫婦では海外旅行に行っても、家族で海外旅行に行く機会ってなかなか無いし、この時家族で良い思い出を作れてホント良かったなぁと今でも思います。近年フォトウエディングが流行ってきてる様ですが、障害を気にせずできるし街中の人達が笑顔で心から祝福してくれるので凄くハッピーな気持ちになれます。
人が一人一人違う様に、ウエディングの形も自分たちのスタイルでいいんじゃないかなと私は思います。幸福の定義は皆違いますしね。無理をして画一的で商業的な結婚式のスタイルに、わざわざ自分たちを合わせる必要も無いし。二人にとって理想のウエディングとはどんなモノかを素直に考えた時にベストな選択ができるんじゃないでしょうか?
あっ、なんか纏まりの無い話になってしまった。
この新婚旅行記は近々書いていきます。勿論バリアフリー情報も交えながらね。