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車椅子と旅行

私は車椅子生活になって20年になります。いやー考えると長いですねぇ。

皆さんは「車椅子生活」と聞くと、どんな想像をされますか?

出来なくなる事が多いイメージですよね?確かに出来なくなる事は沢山あります。じゃあ生活サイズが小さくなるかというと、正直そうは感じていません。

私は28歳で車椅子になりましたが、その前の健常者だった頃には旅行なんて全然でした。「会社」と「家」と「車で行けるエリア」で遊ぶ程度でした。車椅子になってからも生活はあまり変わらず。いや寧ろエリア的には拡がったかもしれません。

それは今迄行けた場所が、階段があって行けないとか、ドア幅が狭くて入れないとかあるわけですよ。だから代わりになる場所を探す。結果、知らなかった場所を開拓する事に繋がり、行動範囲が拡がるんですね。でも相変わらず旅行には興味がありませんでした。

私にとっての転換点は結婚だったと思います。妻は歴史や美術や旅行が好きで留学経験もあります。対する私は哲学、社会科学、建築なんかが好きで、歴史や旅行は興味がありませんでした。だから結婚した事で、彼女が興味のあるモノにも興味が湧いたんですね。非常に感謝してます。

今年で結婚11年になりますが、新婚旅行で初海外旅行をしてから、計7回海外へ行ってます。

車椅子で旅行する面白さというのもあります。それはその国の国民性や成熟度が健常者よりも良く見えるのです。

車椅子では飛行機の乗り降りでも、CAさんや空港職員と関わる時間が非常に長いです。列車に乗るにも鉄道職員と長い時間接しますし、美術館に入るにもレストランに入るにも、人の手が必要である事が現地の方達との接点を強制的に作るのです。時間が長くなれば社会やプライベートな話にも触れますからね。

街でもイタリアなどでは一般の人が競うように手を貸してくれたり、台湾では心地良い距離感で手助けしてくれたり、ニューヨークではいちいち機械的だったり、バルセロナでは乗車拒否にあったりナンダカンダあるんです。

じゃあ嫌だった事と嬉しかった事、どっちが多いだろう?と考えると圧倒的に人の優しさを感じる事の方が多いんですね。

日頃、ニュースでは殺伐とした世界や、胸が痛くなる話、怒りに震える様な不正等が毎日の様に流れています。だから旅に出て直接人の優しさに触れる事が、私達夫婦にとってはメンタルリセットができる大切な機会なのかなと感じています。

もし事故や病気で障害者になった方こそ、旅には出るべきじゃないかなと思います。思っているより世界は優しさに溢れているかもしれませんよ!

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