今日はヴァチカン三昧です。初めてヴァチカンを訪れたのは2009年なのでもう9年経ちます。2度目が2011年で今回で3度目。どんだけ好きやねん!と言いたくなりますが、あそこは芸術品の宝庫ですよ。
まずはタッツァドーロで極上のコーヒーとスフォリアテッラ、クロワッサンを頂きます。パンテオンのすぐそばなので、人も疎らなパンテオンを拝めます。店内は左の入口なら入れます。右の入り口は2段あるので厳しいです。
ここからヴァチカン美術館まではバスを利用します。最寄りのSenato(Rinascimentでも可)のバス停から492番のバスでヴァチカンを目指します。下車するのはBastioni di Michelangeloというバス停ですが、何故かその次のバス停で降ろされました。路駐が酷くてバスが歩道に寄せられない場合こんな事もあります。まぁ100mも離れていないので良いのですが。
念のため車椅子でのバスの乗り方・・・まずTのマークのお店「タバッキ」でチケットを買います。2枚なら「ドゥエ ビリエッティ ペルファボーレ」でOKです。そしてバス停では、乗りたいバスが見えたら手を横に挙げて乗車の意思を示します。車椅子OKのバスなら歩道に寄せて停めてスロープを設置してくれます。車椅子NGのバスは完無視されますが、勘違いして「差別だ!」などと思わない様に。乗車したら目の前に車椅子スペースがあるので、バスの進行方向に背を向けて停めましょう。チケットは乗車時に車内にある黄色の打刻機を通す必要があります。自分で打刻できない場合は、近くの人に「スクーズィ、プオ ティンブラーレ クエスト ビリエット⤴︎?」なり「ティンブラーレ クエスト⤴︎?」なり言ってチケットを渡せば打刻してくれると思います。「スクーズィ」だけでチケットを見せながら打刻機を指差すだけでもわかるとは思います。乗車時、運転手に降りるバス停名か目的地を伝えておくと安心です。「ヴォリオ シェンデレ ア バス停名(もしくは目的地)」で伝わるはずです。乗り降りの際に歩道からだと良いのですが、たまに路駐が酷く車道に降りて乗り込む事があります。この場合スロープがかなり急で大変ですが、基本的にイタリア人は親切なので乗客や道にいる人などが集まってすぐ助けてくれます。もし目的地を伝え損ねた場合は、焦らずに次に停車したバス停でバス停名を目視して、citymapperかgooglemapで現在地を確認しましょう。現在地がわかればあと何駅かわかるので、目的地が近づけば車椅子用の降車ボタンを押しましょう。
さて話が逸れましたが、バスを降りてなだらかな坂道を登って行くと右手に巨大な壁が見えてきます。そしてその壁沿いには長い行列が!!!これがヴァチカン美術館の行列です。しかし車椅子ユーザーと同伴者はここに並ぶ必要はありません。壁際の道は人混みで通れないので、道を挟んだ向かい側の歩道を進みます。入り口の近くに横断歩道があるのでそこを渡ります。入り口周辺には係の方がいて、車椅子に気付くとだいたい声を掛けてくるか手招きするかしてきます。それがなくても、行列の横に柵で別の入り口が確保されているので、そちらに進めば入れてもらえます。
中に入ると左手にチケット売り場があります。障害者手帳(日本のでOK)提示で所持者と同伴者は無料となります。窓口は左の方にあるPriority用の窓口です。そこで専用のチケットを受け取ってください。トイレは窓口に向かって右手奥のエレベーターで地下に下りると目の前にあります。
館内の順路はわかりにくいので、日本にいる間に下調べすることをオススメします。ググれば館内図などは沢山出てきますので。館内の全体像をぼんやりとでも良いので頭に入れておくと、効率よく鑑賞する事ができます。入館時に館内図を入手できますが、貰ったらまずエレベーターの位置を確認してペンがあれば印を付けておくと便利です。健常者であればシスティーナ礼拝堂を最後に見て、そこから裏口の階段を降りてサン・ピエトロ大聖堂へショートカットが可能ですが、車椅子の場合は通常出口(入場口の横)からしか退出できません。なので美術館から大聖堂への移動距離はかなり長くなります。更に美術館内部は全長7kmと言われてますので、ルートを確認せずに鑑賞していると体力的にキツくなります。
まずはエントランス右方向の「ピナコテカ」と呼ばれるエリアからスタートする事になります。レプリカですがミケランジェロのピエタ像があるエリアです。本物はサン・ピエトロ大聖堂内に強化ガラスで守られて展示されてます。昔、トルコの精神病患者が、像をハンマーで殴るという事件があった為この様な展示となっています。
ピナコテカには「キリストの変容」や「ヒエロニムス」など有名な絵画があり必見です。そのあとは平行に並ぶピオクリスティアーノ美術館ですが、個人的には時間がなければここは割愛しても良いのかなと思います。そこから入口方向に途中まで戻ると、その先にエジプト美術館やピーニャの中庭があります。この辺りはミイラもあって観たい方多いのでは?その先の建物はキアラモンティ美術館で彫像が多数展示されています。階段を上がるとピオクレメンティーノ美術館でここに「ラオコーン像」があります。車椅子の場合はここから上がれないので、別の場所からエレベーターで上がって行く事は可能な様です。この日は途中から混みだして、逆行するのが大変だったので私は断念しましたが。この後は上階へ上がり「燭台のギャラリー」「タペストリーのギャラリー」「地図のギャラリー」と豪華な一本道を進んで行きます。その先は左に折れ曲り、部屋を抜けると「ラファエロの間」に辿り着きます。「ラファエロの間」は4部屋構成になっており、一番有名な作品が「アテネの学堂」ではないでしょうか。
さあ、ここからいよいよシスティーナ礼拝堂です。通常はここから階段で降りるのですが、私たちはエレベーターまで戻らないといけません。逆行する事になります。要所要所に係の方がいるので「ヴォッリオ アンダーレ アッラ カペラ システィナ」と言えば案内してくれます。「システィナ」だけでも十分伝わるので大丈夫です。ここからシスティーナ礼拝堂までは特別なルートになる為、通常は係の人が付いてくれます。エレベーターはタペストリーのギャラリーの一角に見えない位置にあります。
圧巻の「最後の審判」・・・写真撮影はダメです・・・でも1枚だけ撮っちゃいました。
出る時も係員の誘導に従ってください。美術館入口のそばに出口があるのでそこを目指します。出口の近くにミュージアムショップとポストオフィスがあります。ここで絵葉書を買ってヴァチカンから手紙を出すのは、良い思い出になるのではないでしょうか。私たちも出しました。
出口を出て右手の城壁沿いにひたすら進んで行くとサン・ピエトロ広場に辿り着きます。
広場に入ると柱沿いに右折して凸凹の石畳を進み、セキュリティーチェックを受けます。そのまま直進すると建物内への入り口が見えて来ます。車椅子の場合、建物内で最初と最後にエレベーターで上下移動が必要です。入場して右手にクロークがあるのでそこで「リフト」でも「エレベーター」でもいいので言えば案内して貰えます。ここのエレベーターは鍵が必要なので勝手には乗れません。おまけですがクローク横に車椅子用トイレがあります。残念な造りですけど・・・。個室ドアが異常に大きくて車椅子で入るとドアが閉まりません???利用者は少ないので気にせず使いましたけどね。因みに初めてサン・ピエトロ大聖堂を訪れた際には別ルートから入りました。今回は大聖堂右手から入りましたが、前回は左手の一般開放されていない裏ルートから入りました。こちらのルートの方がかなり興奮します。でも普通は通れないんだろうなぁと思います。前回は式典が行われていた為、もの凄い人混みだったので特別に配慮して頂けたのでしょう。
中は「豪奢」の一言です。
中はほぼバリアフリーです。1箇所だけ細い階段で入らないといけない場所があります。まぁそこは観なくても問題ないと思います。大聖堂内は広く天井も猛烈に高いので上を見上げっぱなしになります。しかし宗教は儲かるんですねぇ。この資産、異常です。どの宗教もそうですが、中枢にいる人や建物の裕福加減が半端ないです。こういう所に貧しい人達が寄付とかしちゃうんですから訳の分からん世界です。世界的な芸術品や豪華な建造物を見過ぎてお腹いっぱいなのでそろそろ退散します。
元来たルートで戻り、城壁の外に出ます。血糖値が低下したので糖分補給を・・・。
名店POMPIのイチゴティラミスです。ヴァチカンから徒歩10分掛からない位です。この周辺にはバス停も多いので帰る手段には困らないと思いますよ。因みに私達はこの後、カンポデフィオーリに行くので1本隣のクレッシェンツィオ通りから492番のバスでRinascimentoまで向かいます。そこから老舗帽子店「Troncarelli」で妻の帽子をゲットし、ぶらぶらとカンポデフィオーリまで10分ほどの散歩です。今夜はここにあるチーズが有名な「obica」で夕食です。予約の時間まで1時間程あったので、数件隣のレストランで飲みながら待ちます。日本にもこんな広場やテラス席がもっとあればいいんですがねぇ。大人が人生を楽しむ姿を見て子供が「早く大人になりたい」と憧れるのが本来あるべき姿ではないのかなと思うのです。日本ではいつまでも子供でいたいという大人が沢山いて、子供も子供のままの方が得だと考える傾向があります。そんな状態で将来への希望を持つのはなかなか難しい気がします。話が逸れましたが、そろそろ予約時間なのでobicaへ移動します。
東京にも出店していますが、まぁまぁと言った所です。売りのチーズ一つ取っても、今回の旅で食べたチーズの中でも極めて平均点でした。写真はブッファラです。モッツァレラの中に生クリームの入った物です。